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ケガのリスクを可視化できる数値『A:C Ratio』について
PULSEthrow
2022/08/02
選手の肘コンディションを最適に保つために必要な考え方やその方法についてです。
目次
「PULSEthrowで出来る事」についてはこちらをご確認ください
PULSEthrowで出来る事
A:C Ratio(ACWR)とは何か?
ACWRとは「Acute Chronic Workload Ratio」の略で
「アキュート クロニック ワークロード レイショ」と読みます。
主に選手が行ったトレーニングや練習の負荷(ワークロード)の事で、
Acuteワークロード(急性負荷)をChronicワークロード(慢性負荷)で割ったもので、
その値がケガの発症リスクと関連があるとされています。

パルススローにおける
アキュートワークロード(急性負荷)は『9日間分』の負荷の平均値で、”疲労”の数値です。
クロニックワークロード(慢性負荷)は『28日間分』の負荷の平均値で、”フィットネス”の数値です。
ケガの発生リスクは高まる時は、
クロニック(フィットネス)の数値よりもアキュート(疲労)の数値が大きくなるとケガのリスクが高まります。


ものすごく簡単に言うと、
約1か月間で作り上げた身体のフィットネス(クロニックワークロード)の状態では耐えられないほどの
急激な負荷(アキュートワークロード)が身体にかかる事でケガのリスクが高まってしまうという事です。
このACWRはケガのリスクを軽減する上で、様々なスポーツでの使用がされ、
現在、注目されている指標の一つとなっています。
最近ではIOCのガイドラインにも載るほどとなっています。
PULSEではこの考え方を肘の内側への負荷にフォーカスした計算アルゴリズムを作成し、肘内側側副靭帯の損傷リスクを軽減することを可能にしました。
細かい算出法などは下記サイトが分かりやすいのでご確認ください
https://www.scienceforsport.com/acutechronic-workload-ratio/#toggle-id-1
A:C Ratio(ACWR)の重要性 - ケガのリスクを可視化 -
アキュート(急性負荷)とクロニック(慢性負荷)をそれぞれ分けて見ていくよりも、
ACWRという形でアキュート(急性負荷)とクロニック(慢性負荷)まとめてを検証することでケガのリスクを予期しやすくなると言われています。
昨今も話題になっている、『投げ過ぎ』を防ぐことはもちろんのこと、
『投げなさ過ぎ』によるケガの発生リスクも減少させることが出来ます。
この『ACWR』には”最適領域”が存在します。
最適領域は、「0.7~1.3」

この数値内に収めることで、『投げ過ぎ』『投げなさ過ぎ』の両方を防ぎながら、
ケガのリスクを最小限に抑えながら最適な負荷を身体にかけるための指標になります。
A:C Ratio数値の見方

1. ACWRが0.7を下回るとケガのリスクが大きくなります。
0.7を下回っている時は、身体にかける負荷量が不足しています。
約1ヶ月間で作り上げた「フィットネス」が低下し始めている状態です。
「フィットネス」が低下すると、試合の強度/球数に耐えられなくなりケガのリスクを高めてしまいます。

2. ACWRが1.5を上回ると最もケガのリスクが大きくなります。
1.5を上回っている時は、今の身体のフィットネス(耐性)よりも多くの負荷がかかっていて
「オーバーワーク」の状態です。
負荷に対する回復力や抵抗力が落ちているのでケガのリスクが上昇します。
ケガの発生リスクが一番高い状態です。

3. ACWRが0.7~1.3の時にはケガのリスクが少なくなります。(通称:Sweet spot)
フィットネスの低下、オーバーワークが起きていない最良な状態です!
最適な負荷量で投球トレーニングを構築できています。
シンプルに言うとACWRは0.7~1.3に留めておくとケガのリスクが小さくなるという事です。

「フィットネス」=「クロニックワークロード」について

先ほどからお伝えしている「クロニックワークロード」についてです。
選手の肘のフィットネス(耐性)を高めることにより、試合の強度/球数に耐えられる様になります。



クロニックワークロード『8~15』を登板日/復帰日までに構築しましょう。
クロニックワークロードが低い状態で、高強度/高球数の投球を行うと、
今のフィットネスでは耐えられない負荷が肘にかかることになりケガのリスクを上昇させます。また、フィットネスを高めることは疲労への回復力を高める事にも繋がり、パフォーマンスを継続して発揮する為の体力が落ちにくくなります。
ACWRとケガ発生率の関係性について

実際に高校生ピッチャーのACWRを1シーズン観察した研究結果です。
腕をケガした8名中7名のACWRが1.3を超えていました。
このことからもACWRと腕のケガの関係性が分かるかと思います。
PULSEを使う時のACWRの注意点
PULSEを使ってACWRを管理していく場合に注意点があります。
PULSEの使い始めのタイミングではデータの蓄積がないので、
クロニックワークロードの数値の蓄積が足らず、ACWRの数値がすぐに危険ゾーンに入ってしまい正確なデータのフィードバックが難しいです。
(※リハビリの選手など0からスタートする場合は大丈夫です)
使い始めの運用方法と数値の見方については下記リンクをご参照ください。
導入後1か月間の運用方法を記載しております。
▼導入初期の使用方法
選手の肘コンディションを常に最適に保つためのPULSEの使い方(導入初期編) | motus BASEBALL【日本公式】 (onsideworld.com)
PULSEアプリ/DASHでの数値の確認方法
パルススローアプリ

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https://onsideworld.com/contents/motusdash/manualmovie/
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▼PULSE DASHアクセスURL
https://pulsethrow.drivelinebaseball.com/#/login?returnUrl=%2Fhome

肘コンディション管理が簡単にできる機能「推奨1dayワークロード」について

「推奨1dayワークロード」の機能については下記リンクをご参照ください。
https://onsideworld.com/contents/setup/1day-workload/
ワークロードについて

ワークロードについては下記リンクをご参照ください。
https://onsideworld.com/contents/acratio-acute-chronic-workload/
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