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遠投時の距離増加による投球力学の変化についての文献
PULSEthrow
2020/03/03
投球距離を伸ばすことに伴う、アープスロットやアームスピード、ショルダーローテーション、肘の内反トルク値の変化について研究した論文を紹介いたします。
目次
2018年にAm J Sports Medに掲載された文献です。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=changes+in+throwing+arm+mechanics+during+structured+long+toss
【研究の目的】
特定の選手における遠投距離の増加に伴うアームスロット、アームスピード、ショルダーローテーション、および肘の内反トルクの変化の定量化。
【研究方法】
高校95校の野球選手を対象に遠投中にmotusセンサーを装着し、測定。各選手は、9 m、18 m、27 m、37 m、46 mの距離で5回の投球を測定しました。線形混合効果モデルと尤度比テストを使用して、遠投距離とアームスロット、アームスピード、ショルダーローテーション、肘の内反トルクの推定をしました。
【研究結果】
投球距離が増加すると、アームスピードとショルダーローテーションが増加し、距離ごとにアームスロットが減少しました。ただし、肘内反トルクは、最大37 mの距離まで増加し、その後の46 mでは同じでした。
【結論】
コンディショニングとリハビリテーションのために遠投を使用すると、肩の可動域とアームスピードを上げるのに役立つ場合があります。ただし、より長い距離で遠投を行うと、アームの回転、アームスピード、および肘のトルクが増加し、アームのスロットが減少するため、予防措置を講じる必要があります。