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PULSEを使用してオフシーズンの肘コンディションを最適化する方法

PULSEthrow

2023/01/10

PULSEを使用して肘のコンディション/フィットネスを、
新シーズンまたはキャンプINするときに最適化する方法です。

ケガのリスクを減少させることと、
スタート時に高強度な投球ができるようになります。

目次

PULSEを使用して肘のコンディション/フィットネスを、
新シーズンまたはキャンプINするときに最適化する方法です。

ケガのリスクを減少させることと、
スタート時に高強度な投球ができるようになります。

コンディションを最適化した状態でアピールしましょう!
また、このコンディション管理はオンラインで行われています。

この記事はDrivelineBaseballの記事を参照しています。
https://www.drivelinebaseball.com/2022/05/off-season-workload-progression-using-pulse/


【内容】

1.プログラム内容
2.PULSEで確認する数値
3.フィードバック
4.投球メニュー作成例

1.プログラム内容

【目的】

強度の高い投球トレーニング(ブルペンなど)に肘が対応できるよう、
徐々に強度上げながら調整する。

【方法】

1.重たいボールを使用し、肘最大ストレス値を低く抑えることで、強度を調整できるようにする。

2.徐々に軽いボールトレーニングを導入していき、 より高い(平均)ストレス値を肘にかけていき、 肘のフィットネスを構築する

3.トラックマン、ラプソード、ハイスピードカメラなどのトラッキングデータを使用して強化ポイント(新球種獲得や球速UP、変化球のキレ)を強化しながら、キャンプ開始の前に高いエルボートルク値を継続的に肘にかけられるようにする。

2.PULSEで確認する数値


▼PULSEを使用することで確認できる数値
 ・1dayワークロード(肘に蓄積された1日の負荷総量)
 ・クロニックワークロード(肘のフィットネス/耐性)
 ・エルボートルク(肘内側へのストレス)
 ・アームスピード(腕振りの速さ)
 ・アームスロット(腕の角度)
 ・投球数
 ・高強度投球数
 ・平均エルボートルク

PULSEで確認できる数値はたくさんありますが、
より注意を払って確認する数値はこの3つです。

・1dayワークロード
・クロニックワークロード
・平均エルボートルク値

左画像左上/1dayワークロード
左画像右下/平均エルボートルク
中央画像タップ部分/推奨1dayワークロード
右画像タップ後/クロニックワークロード


1dayワークロード

1dayワークロード(以下、1DW)は、その日の投球量と強度を定量化する数値で、簡単に言うと1日で肘に蓄積された総負荷量です。これには、プライオケアボール、キャッチボール、遠投、ブルペンなど投球練習の全てが含まれます。


1DWの数値を確認することで肘への負荷の蓄積量を把握することができますが、1DW数値の中身(投球強度)の要素を考慮する必要があります。

たとえば、2人のアスリートが同じ1DWの数値になる事がありますが、
その1DWの数値の中身は投球強度によって大きく異なる可能性があります。

ここでのポイントは、
低い強度で多く投球しても
高い強度で少ない投球をしても同じ1DWになる事がるという事です。

1つの例ですが、試合の強度に肘を慣れさせなければいけないフェーズの時に
1DWの数値が多かったので肘にしっかりと負荷をかけられてると思っていても、低い強度で多く投げていた場合でも1DW数値は上がるので実際は負荷をかけられていないケースが発生します。

この様なケースが発生しないように「平均エルボートルク」の数値も併せて確認し、投球強度を確認して1DWの詳細を理解しましょう。

投球強度が上がるとアプリに表示される平均エルボートルクの数値もは高くなります。(下左画像の数値「55」、下右画像の数値「31」)


この場合左画像の選手はエルボートルクの数値が高いので「ブルペン」
右画像の選手はエルボートルクの数値が低いので「リカバリー」を、実施したのではないか?と考えることができます。
(※遠隔や1人で大人数を管理する場合に便利なデータの見方になります。)

このように、「1DW」と「平均エルボートルク」を、
投球量と強度を知るための補完的な指標として使用できます。
投球トレーニングの管理においてデータをモニタリングできるようになることは、コーチ及びトレーナーに大きく貢献できると考えています。

今までの投球トレーニングは、選手にメニューを渡した後は選手主体である程度メニューをこなして、メニュー終了後に選手からのフィードバックのみですが、PULSEを使用することで 毎日の投球内容、投球量(1DW)、投球強度(平均トルク)などがわかるので、プラスして客観的データを見ることができます。

そうすることでアスリートに異常な投球があった場合には、
翌日のメニューを変更するための客観的な判断材料となります。

フィードバック


1.1dayワークロードが推奨1dayワークロードをなるべく超えないように選手に伝えましょう。

2.1dayワークロードと平均エルボートルクを確認して選手の投球メニューを確認しましょう。

3.常にA:C Ratioの数値が「0.7~1.3」で推移するようにしてください。
(1.3を超えているときは投球を控えましょう。0.7を下回っているときは少し投球強度を上げましょう)

4.選手との確認時に、予想よりも平均エルボートルクが高い場合は翌日の投球強度を抑えるなど調整しましょう。

5.逆に強度を上げるべき日に平均エルボートルクが低かった場合は翌日の投球強度を上げるように指示しましょう。(キャッチボール強さの変更など)

6.キャンプ開始が近くなるころには投球強度を上げておきましょう。(ブルペンなど)※推奨1dayワークロードの数値が継続的に高くなっている状態が肘のフィットネスが構築できている1つの指標です。

7.クロニックワークロードを確認しましょう。
 ※キャンプ開始時には最低でも8.0を超えるようにしておきます。



●A:CRatioについては下記リンクをご確認ください。

https://onsideworld.com/contents/ac-ratio-workload/

●ワークロードについては下記リンクをご確認ください。

https://onsideworld.com/contents/setup/1day-workload/



投球メニュー作成例


・開始後6週間

▶各メニュー平均1DW
 ノースロー:0
 リカバリー:5~8
 中強度練習:8~14
 マウンド投球を何球か入れたメニュー:~18
 

▶エルボートルク
 平均:31.9
 最小:15.2
 最大:47.9

▶クロニックワークロード

 開始:0.2 ➡ 終了:7.3

次の4週間

▶各メニュー平均1DW
 ノースロー:0
 リカバリー:6
 中強度投球:14
高強度投球:20
 ブルペン:23
 マウンド投球を何球か入れたメニュー:20~23
 

▶エルボートルク
 平均:41.6
 最小:23.6
 最大:58.5

▶クロニックワークロード

 開始:7.5 ➡ 終了:10.8

次の5週間

▶各メニュー平均1DW
 リカバリー:6
 中強度練習:14
 高強度練習:21
 ブルペン:23~25

▶エルボートルク
 平均:46.5
 最小:31.2
 最大:62.8

▶クロニックワークロード

 開始:10.5 ➡ 終了:12.4

ラスト1週間

▶各メニュー平均1DW
 ノースロー:0
 リカバリー:6
 中強度練習:14~16
 マウンド投球を何球か入れたメニュー:23~25

▶エルボートルク
 平均:48.1
 最小:37.5
 最大:58.9

▶クロニックワークロード

 開始:12.1 ➡ 終了:12.2

1DWとクロニックワークロードの確認方法は下記画像の通りです。

クロニックワークロードは推奨1dayワークロード部分をタップすることで確認できます。
A:CRatioも同じ画面で確認してください。



●A:CRatioについては下記リンクをご確認ください。

https://onsideworld.com/contents/ac-ratio-workload/

●ワークロードについては下記リンクをご確認ください。

https://onsideworld.com/contents/setup/1day-workload/

●PULSE導入後1か月間の数値の見方と運用例

https://onsideworld.com/contents/setup/workload-condition/

PULSEを積極的に導入して、新シーズンに向けたコンディションの調整と
選手のサポートをする人は、客観的なデータを用いて選手とのコミュニケーションを活性化させましょう!